物件の裏事情

書類では物件の裏事情はわからない

住宅の売買契約のときには、買い主に対して業者から「重要事項説明」というものがなされます。これは内容が複雑でむずかしく、ボーッとしている間に終わってしまったということになりがちです。

それでも、物件の明示や登記簿謄本に書かれている権利関係、抵当権などについては、当たり前の仕事として業者がきちんと処理している(そうでないと司法書士がOKしない)ものなので、後でトラブルになることは少ないでしょう。また、これらのことは、「重要事項説明書」という書類に明記のうえ、購入希望者に渡されますので、それを見て確認することも可能です。だからといって、これですべて安心というわけにはいきません。問題は、重要事項説明書に書かれていない部分に潜んでいるのです。

たしかに、中古マンションを買うときには、自分でも周辺の状況を調べるでしょう。しかし、さらっと見てわかることがすべてではありません。たとえば、あるマンションでは、エントランスに面した道路でタクシーがいつもアイドリングしており、住民が騒音被害を被っていました。業者はこれについて知っていたのか知らなかったのか、買い主に何の説明もしませんでした。他にも、その中古マンションの南側に高層マンションが建つというウワサがあるのに、業者のほうからは一言もないということもありました。すべての業者が悪意から情報を出さないというわけではないでしょうが、それでも伝え漏れのようなことはありうるのです。